社長コラムVol.2

今月は、私が思う「コミュニケーション」についてお話しします。
仕事はもちろん、家庭や地域活動など、人との関わりすべてに通じるテーマです。

世の中にはコミュニケーション術を説く本や記事が溢れています。
私も前職から数多くの研修を受け、自身でも学んできました。その上で、「結局ここなんだよな」と腹落ちしているのは、すごく当たり前の4つのことです。
(期待していた方には申し訳ないのですが、本当に基本的なことを言います。ただ、これを意識するだけで確実に変わる、と実感していることです。


①観る――表面を超えて相手を理解する

「観る」とは、単に目で見ることではありません。相手の表情の変化、手の動き、わずかな沈黙に込められた思いまで観察するように「みる」ことです。
観察というとジロジロと凝視する印象を持たれるかもしれませんが、あくまで自然に、さりげなく。実は私自身「目力が強い」と言われることが多く、つい鋭い視線を送ってしまっているのかもしれません…。

さらに一歩進んで「看る」。相手への思いやりと愛情を込めて「看る」と、それだけで「あなたに関心を持っています」「大切に思っています」という無言のメッセージになります。

実践例:会議で発言をためらう同僚に気づき、「○○さんはいかがですか?」と声をかける。具合が悪そうな家族に「大丈夫?」と声をかける。

②聴く――心を傾けて受け止める

「聴く」は耳で音を拾うことではなく、背景や気持ちまで想像しながら受け止めることです。
「10の目と耳と心で聴け」と言われるように、相手の話を遮らず、否定せず、全身全霊で向き合う姿勢が信頼の土台となります。相手が「ちゃんと聴いてもらえた」と感じた瞬間に、関係性は一段深まります。

実践例:相手の話を聞くとき、手を止めて相手に身体を向け、うなずきながら最後まで聴く人としてやっていけるのかな」と、不安ばかりが募っていきました。

③考える/判断する――フィルターを意識する

観て、聴いて得た情報をそのままにせず、整理し冷静に考え判断する段階です。ここで大切なのは「情報には必ずフィルターがかかっている」という前提を持つことです。
相手の言葉も、自分の理解も完全ではありません。思い込みや先入観が混じっている可能性を意識することで、より適切な判断ができます。

実践例: 「この発言の真意は何だろう?」「自分の解釈に偏りはないか?」と一度立ち止まる。

④伝える――尊重しながら率直に

最後は、自分の考えを「伝える」段階です。ここで重要なのは、相手の意見を否定から入らないことです。
「そういう見方もありますね。私はこう考えているのですが…」といった「Iメッセージ」で表現することで、押し付けではなく対話を生み出すことができます。

実践例: 「それは間違っている」ではなく、「あなたの視点は参考になった。私はこんな角度から見ているんだけど…」と伝える。


これら4つのステップは一方向ではなく、常に循環しています。観て、聴いて、考えて、伝える。この繰り返しが相互理解を深め、強固な信頼関係を築きます。

私自身、まだまだ学びの途上です。失敗や反省の連続です。しかし、この4つを意識するだけで、職場でもプライベートでも、人間関係が良い方向に変わっていくのを感じています。

もし「なかなか伝わらない」「誤解されやすい」と感じることがあれば、この4つのどこでつまずいているかを振り返ってみてください。
難しく考える必要はありません。観る・聴く・考える・伝える――このシンプルな流れを意識するだけで、コミュニケーションは必ず変わりますよ。

次回のコラムもお楽しみに。


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