社長コラムVol.3

今月のコラムテーマは「変わること」と「変わらないこと」です。


最近、知人にすすめられて『君たちはどう生きるか(吉野源三郎著)』を読んでいます。ベストセラーとなった漫画版や宮崎駿監督の同名映画も有名ですし、ご存じの方も多いかと思います。 初版は今から約90年前、戦時色が強まりつつあった時代に書かれた作品です。少年向けの小説ではありますが、いま読んでも驚くほど内容が古びておらず、むしろ現代だからこそ心に響くメッセージが詰まっています。

この本は、いわば「いかに、より良く生きるか」を考えるための倫理書であり哲学書です。同時に、人が社会の中でどのように支え合い、関わり合いながら生きているのかを教えてくれ、社会を見る目を育てる一冊でもあります。


なかでも印象に残ったのは、「不条理や過ちに直面したとき、それを“正そう”と一歩踏み出す勇気こそが人としての成長につながる」という考え方です。 人は誰でも失敗します。後悔もします。しかし、そこで終わらせずに行動を変えようとする姿勢が、人としての器を広げてくれる。そんな普遍的なメッセージが、繰り返し語られています。

この考え方は、私たちの仕事にも深く通じます。
自動車開発というと、高度な技術や専門知識、精緻な作業といったイメージが前面に出ます。もちろん、それは事実です。しかし、技術の中心にあるのはやはり「人」です。

どんなに先進的なプロジェクトであっても、実際にそれを支えているのは、現場で汗をかく技術者一人ひとりの知恵と工夫、そして仲間との協力です。仲間と力を合わせてより良い成果を目指す。その過程で互いに学び合い、成長し合う。ときに、優しさや思いやりが支えになります。そして同時に、「もっとやってみよう」「きっとできるよ」と背中を押す関わりも、とても大切です。

こうした、人を大切にし、互いに高め合う姿勢は、どれだけ技術が進化しても、時代が変わっても、決して色あせることのない「変わらない軸」です。

これからも、共に学び合い、成長していきましょう。
次回のコラムも、どうぞお楽しみに。


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